日野市 18年度
財政力指数: 定率減税1/2縮減、法人市民税の伸びなどによる市税収入の増及び三位一体改革による所得譲与税の増等により基準財政収入額が2.4%伸びた。これに対し、基準財政需要額は、集中改革プランの推進による人件費を中心とする経費圧縮効果はあるものの3.8%の伸びとなった。結果、財政力指数は単年度では0.015ポイント下降したが、3か年平均では前年度の上昇率が大きかったため、0.028ポイントの上昇となった。今後、更に集中改革プラン及び第3次行財政改革を推し進めることにより財政力の強化を図っていく。
経常収支比率:市税収入の回復基調及び所得譲与税の増等による歳入側での一般財源の増嵩と集中改革プランの推進による歳出側での経常経費圧縮効果により指数が1.6ポイント好転した。臨時財政対策債を加算しない場合の経常収支比率(90.6%)も2.9ポイントと大きく改善し、財政の弾力性が増した。しかし、指標は好転しているものの、今後は臨時財政対策債に依存することなく適正値を維持すること及び人件費の経常収支比率(30.4%)を行革による職員定数の削減によって都下26市平均値(18年度は28.8)以下に圧縮していく。また、毎年増加傾向にある扶助費等の抑制も課題である。なお、第3次行財政改革の到達目標は指数を85%以下とすることである。
人口一人当たり人件費・物件費等決算額:類似団体に比し高いのは、保育所の施設数が多いこと、また保育所及びごみ処理施設運営が直営であることが主因である。行革プランに沿って、民間委託化、指定管理者制度導入等、民間活力の積極的な導入と定員管理の適正化、行政評価システムの活用等により経費縮減を図りつつ、時代ニーズに応じた質の高い行政サービスの提供に努める。
人口一人当たり地方債現在高:昨年に比べ一人当たりの現在高が5,332円の増となり、都市町村平均を大きく上回る数字となっている。これは13年度を始期とする土地開発公社経営健全化計画及び小中学校校舎・屋内運動場の耐震補強工事計画、都市計画道路築造等が要因である。今後ごみ処理焼却施設等の大型施設の建設事業も控えており、計画的な施設整備と他事業の地方債発行の抑制等によりプライマリーバランスの均衡と総枠抑制に努める。
ラスパイレス指数:平成18年度は、枠外昇給制度の廃止、特別昇給(昇任時の特別昇給を除く)の廃止、採用時の年齢による初任給格付けの廃止、扶養手当・住居手当・通勤手当の見直し、係長手当の段階的廃止、期末勤勉手当の職務加算の見直し等、給与の適正化を図った。平成19年度は、査定昇給に向けた給料表の4分割を行い、実績・職務・職責に応じた給与体系の推進に努める。
人口1,000人当たり職員数:集中改革プランや第3次行財政改革に基づく定員管理の取り組みにより類似団体平均と比較して適正であり、また数値も年々好転している。一時的な子ども人口の増加など当市特有の行政需要を抱える中で、今後も第3次行財政改革に基づき、退職者の不補充、事務事業の見直しによる効率化等を行いながら、市民サービスの低下とならないよう職員数の適正化を図っていく。
実質公債費比率:大規模な普通建設事業については計画的に行ってきており、類似団体平均を下回っているが、近年、土地開発公社経営健全化計画及び小中学校施設耐震補強工事計画実施や、減税補てん債、臨時財政対策債の償還がはじまり、増加の兆しがみられる。加えて、公営企業債(病院事業や下水道)の償還の財源としての繰出金の増が見込まれ、指標の悪化が今後予想される。健全な財政運営のために、減債基金を計画的に積み立て将来の償還に備え今後も計画的な施設整備と他事業の地方債発行の抑制等により、第3次行財政改革大綱で目標としている公債費比率7%以内を継続する。