広報ひの 平成21年2月1日号
平成10年度以来再び財政非常事態
金融危機が市財政を直撃
経済情勢により市税等収入が大幅に減収
全国的に企業収益・雇用状況は大きな打撃を受けています。都内の区市町村で工業生産出荷量が一番多く、その影響が大きい当市の法人市民税は、平成21年度において平成18年度のピーク時の3分の1(平成9~21年度の比較)となり、大変厳しい市税収入になります。一方で、子育て支援、教育関係、高齢者サービス、医療費など市民ニーズに必要不可欠な経費は増えており、基金(貯金)を取り崩すなどで対応していますが、大変厳しい財政状況です。この状態が続くと基金が底をつき、市民の皆さまに提供するサービスに支障をきたす恐れがあります。今号では、厳しい市財政の状況をお知らせします。(財政課)
再び財政非常事態宣言へ日野市長 馬場弘融(ひろみち)
最も寒い季節・二月。日本経済もかつてない厳しさです。市長に就任した平成九年頃を思い出します。バブル経済が破綻し戦後初めて右肩下がりに落ち込んだ時期でした。でも当時は先が読めました。必要な改革を進め水ぶくれ体質を改善すれば何とかなる、と自信があったのです。実際、市民はもとより職員の協力を得て、一次から三次まで行財政改革を着実に成し遂げました。人件費は大幅に下がったし、民間委託など施策の見直しも順調に行きました。さらに庁内のIT化や時代の激変にあわせた工夫など、ずいぶん進んできています。もう少しでトップレベルの行政に届くかなと思っていました。そこに今回の世界同時不況。工業都市・日野市。しかも有力な輸出企業が集積する日野市の打撃はとても大きいのです。「市民の森ふれあいホール」休止や理事者の給料削減に加え、新年度予算でも切り込みを図っています。加えて市民の皆さまにも、建設工事費や委託料、医療関係、ごみ収集・リサイクル関連から販売業に至るまで、幅広い分野で料金などの見直しをお願いしています。子育てや福祉・教育、安全など基本は守りますが、一般施策については、見直す場面があるかと思います。まさに財政非常事態の再来なのです。とは言え、抜けないトンネルはないし明けない夜もない。厳しい試練を逆手にとって、大きなチャンスに変える覚悟です。これまで培ってきた市民協働の市政運営を貫きながら、皆さまの和で困難を乗り越えたいと思います。再度の財政非常事態宣言について、市民の皆さまのご理解を心よりお願いします。